425号 発進塔:年の瀬

掲載日:2017年11月15日

「難しき事多からん」と心してスタートした今年であったが、既に師走が目の前である。巷では年末の気配があちらこちらで感じられる。人は年老いてくると毎年ごとに、1年間が短くなってくるように感じるのだが、それは私だけであろうか。

さて、私が元旦に難しき事、としたのには2つの理由があった。1つは療育園建替え工事及び田舎版CCRC構想の為に必要な土地取得の件であった。これに関しては多くの方々の協力を得ながら、予定より少し遅れ気味ではあるが目途がつきつつある。

これが煩雑で手間がかかるのは相続制度に由来するもので、相続手続きを済ましていないものや、一枚の畑に20数名の地権者がいたりする事などである。この人達一人ひとり総てと契約書を取り交わすという面倒な作業もある。登記手続きが完了していない土地は、国土の3割ぐらいあるとされているが、これ等は東北や熊本での災害復興事業にも支障となっていた。来年度の国会では国土の有効利用の観点から法改正が行われようとしている。

もう1つが我が家の菩提寺である万松山国照寺の晋山式(しんさんしき)の実施であった。晋山式とは僧侶が修行を終えて一寺の住職に就任する為の一連の儀式のことである。今回私は総代長として世話役を務めたが、40年前、先代琢道和尚の晋山授戒会(しんさんじゅかいえ)では私の父が務め、二代続けての役目となった。

お寺といえば、全国には7万7千の寺院があるが、ここも近年人材不足により約2万寺院が住職不在(兼務)の状況である。お寺というものは地域によっては人々の心の拠り所としての存在意義もあるため、今後は点在するお寺やお墓の維持も大きな社会問題になると考えられる。そのような中、国照寺にあっては先代の孫で清顕くんという次代の住職継承者も既に決まっており、真に安心なことである。

晋山式を何とか務め終え一段落といった所だが、最近ふと世の中というのは、何か必然性があって、そうなっているのではなく、ちょっとした何かの切っ掛けやたまたまといった偶然の積み重ねによって形成されているものが多いように思えるようになった。

達磨さん

禅宗の開祖である達磨大師は、仏陀より28代の祖師である。インド名をボーディダルという。民芸品や縁起ものとしての「だるま」さんはこの達磨大師が座禅している姿を表現したものとされている。

6世紀初め達磨大師は、仏教の正法を伝える為に10数年かけて中国に辿り着いた。そこで当時中国仏教の最高峰と自負していた梁の武帝との禅問答を行ったが、正法を伝えるに足らずとして少林寺に入り、9年間面璧座禅を組んだと言われている。壁が何ものも寄せ付けぬように、本来清浄な自性に目覚め、ずばり成仏せよと解く平易な口語の宗教家であったとされている。達磨大師はその後日本に渡来し、聖徳太子に多大な影響を与えたという。

天草四郎の乱以降、天領となった天草に数多く開山された寺院の多くは達磨に由来する禅宗の一派である。

一貫グループ会長
永野 義孝

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