416号 発進塔:激震の爪痕

掲載日:2016年05月10日

熊本で発生した二度の大地震で亡くなられた方や被災された多くの方々にお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 

山笑う季節というのに、南阿蘇に通じる道路では、家屋の倒壊や傾いたものが多く、殆どの屋根にはビニールシートが張られ、あちこちの田畑では地割れも生じていた。山を登り始めると路肩には落下した大きな岩があちらこちらに積まれ、山々は山腹が崩壊し樹木や土砂の崩落により山肌がむき出しの所もあった。山が怒り踠いているようにも見え、かつ不気味な静けさでもあった。

法人が所有している阿蘇の施設(湯治場)の被害状況を確認する為に益城町、西原村の被災地域を迂回しながら南阿蘇に向かっていた時の光景である。

普段は俵山やアスペクタを右上に見上げながらトンネルや橋を通っていたものを、今回は遙か左下に見下ろして進んだ。外輪山の尾根付近で標高がかなり高いのであろうと感じさせる道であった。少々雨も降りだし、辿り着いてもいないのに帰路の心配をし始めた頃、自衛隊の車列に幾度となく出合った。それは私に何となく一抹の安堵感を与えてくれるものであった。

5時間半かけて到着した時には既に天草設備の小島さんと宇城市にある中央総合設備の吉井さん2人が先に着いていて出迎えてくれた。幸いにして内部のガラス1枚に少し皹が入っている以外に全く損傷がないと聞いて驚いた。早速、南阿蘇村に有効活用を申し出て、鍵を渡して帰ったものである。

今回の地震では、法人職員の家族や療育園に入院中の園生の保護者の方々で被災された方も多い。更に今もなお余震が続いている。一日も早い収束を期待したいものである。

さて東日本大震災後の調査によると、頭痛や目まい、ふらつきといった所謂心因性ストレス症候群に罹患した人は大人で80%、子どもで60%であったという報告がされている。睡眠や適度の運動、気分転換が必要である。

社会福祉法の一部改訂

社会福祉法人制度の改革案が成立し、来年4月1日から適用されることになった。その中で3つの項目について少し述べてみる。

まず社会福祉法人はその本来の事業以外に「地域における公益的な取り組みを実施する責務」というのがある。寿康園や第2はまゆう療育園及び如水館・托生等がそれにあたる。次に「退職共済制度の見直し」が挙げられているが当法人としては既に4月より入職した職員から独自の退職制度を適用しているので問題はない。

そんな中、特に重要な事項が「評議委員会の位置づけ」である。従来は諮問機関であったが、今後は重要事項の決議機関になったことである。限られた地域の中で、要件に合った人材を確保できるのかと頭を悩ませる。

同様の事が医療でも起こっている。特に療養病床群は度々の名称や基準が変更され、病院は翻弄され続けて来た。そして今、地域医療構想策定という名目の
もと、患者さんを病院から在宅へと誘導しているのである。その結果、在宅介護のために離職する家族も出てきている。

崩壊しかねない地域社会にあってその重要な社会資源である病床を無駄にしてまでそれを根付かせるのは現実離れしていると感じるがいかがであろうか。

一貫グループ会長
永野 義孝

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