412号 発進塔:鶯と時鳥

掲載日:2015年08月20日

いづれも古くから和歌や俳句に詠みこまれていることから、姿を見たことはなくても、その名前だけは知らない人はいない。

ウグイスは雀より少し大きく全長15センチ位で、北は北海道から南は沖縄まで広く繁殖している。普段は低山帯の藪の中で生活しているが、寒い時期には低地に移り、街の中に現れることもある。梅の花が咲き始める頃には枝につく虫を食べる春鳥であり、梅に鶯という言葉が生まれたとされている。そのさえずりは殊のほか優雅である。
調べてみると7種類程の鳴き分けをしているそうである。6月の夕暮れ時のことであったが、造成地あたりを散策していたら近くの茂みのあちこちから「ホーホケキョ」という鳴き声を耳にし、心を癒された。

一方の時鳥はチベットから中国にかけて分布している渡り鳥である。夏鳥として九州以北の山地に飛来するとされている。全長はウグイスの2倍ほどあり、腹には横縞がある。翼は尖っていて鷹の姿にも似て端正である。昼夜ともに鳴くが、人間の言葉には置き換えにくい声である。葉の茂みに居ることが多く、姿を見ることは稀で、私も見た記憶がない。

ただ図鑑などで見る姿やその名前の響きに反して悪食であり、かつ身勝手で強引な鳥でもある。その一つが自分では巣を作らず、他の鳥の巣(主にウグイス)に卵を産み込む、いわゆる托卵の習性である。更に自分では抱卵や育雛もせず、ウグイスに代行さすのである。初めはウグイスも抵抗するそうだが、結局は自身の卵と一緒に面倒を見る。そして異なった種類の小鳥が巣立つことになる。ウグイスの巣から飛び立った鳥だからといって、それがウグイスとは限らない。

憲法と集団的安全保障

先日、衆議院で安全保障関連法案が可決され、参議院に送致されて審議が行われている。政府による度重なる無理な憲法解釈の変更や集団的自衛権の行使に関する法的安定性の無視が横行している。

憲法改正について述べると私は九条の一項を残しつつ、二項に関しては国際情勢の変化に沿うかたちで一部変更せざるを得ない状勢だと考えている。ただ明確な歯止めをかけないと予期せぬ事態を引き起こしかねないと危惧もしている。

今議論をされている安保関連法案について鳥に例えると鶯と説明されているが実は時鳥であったと後々に後悔する事が無い様に願いたいものである。
やがて70回目の終戦記念日を迎える。過去を振り返ると、明治維新も70年を過ぎた頃から日本の進路が大きく狂いだした。その結果、自国民だけでなく、近隣諸国とりわけアジアの多くの人々に耐え難い苦痛と悲しみを与えてしまった。未だ完全な和解がなされたとはいえない状況である。

また、戦後の混乱の中から日本を立て直す為に若者(今の高齢者の方々)たちが立ち上がり豊かな社会にしてくれた。昭和維新からも70年に近づこうとしている。同じ過ちを繰り返しそうな雲行きが感じられて心配でならない。

おもしろきことのなき世におもしろく 棲みなすものは心なりけり

と高杉晋作は晩年に和歌を詠んでいる。高杉晋作とは現在、大河ドラマ『花燃ゆ』に登場する吉田松陰の数多い門下生の一人である。

〝おもしろきことなき〟とは閉塞感漂う先の見えない状態に、〝心〟とは高い志と置き換えて読んでみて下さい。世の中が大きく変わろうとしている今、若い諸君はもっと政治にも関心を持ち声をあげ、積極的に参加する必要があろう。

一貫グループ会長
永野 義孝

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