410号 発進塔:温故知新

掲載日:2015年04月10日

何事につけても、過去をたどり、それを充分に消化し、そこから将来に対する新しい思考や方策を見出すがいい、という意味である。現在は過去無くしては存在しない。しかし過去にとらわれてだけいては、新たな未来を築いていくことは出来ない。かといって、過去を無視して新たな道を辿ってばかりいても、また失敗を招くものである。今年は戦後七十年という節目の年にあたる。世界各国で様々な催しが行われたり、政府談話が発表されたりするようである。それ等を政治的な求心力を強める為や、国民の不満を外に向ける為に利用したりすると、新たな疑念を諸外国に与えたりしかねない。そうならないように配慮した対応をして欲しいと考える。

日本とドイツ

先日、メルケル首相が来日されたが、同じく先の大戦の敗戦国ドイツに学ぶことも多い。少し述べてみる。

まず加害責任と犠牲になった方々への謝罪姿勢である。ドイツのコール首相はフランスのヴェルダンの激戦地跡に建立された納骨堂の前に跪きお参りした後、フランスのミッテラン大統領と手を取り合って廟に参拝した。百年の間に数回戦争を繰り返した両国にとってまさに歴史的和解が成立した瞬間であった。さらに偶発的に起こりうる戦争防止の為に両国軍隊からなる国境警備部隊を編成したりしている。

次に近代の歴史認識と教育についてである。私は一九三六年生まれであり、終戦時は小学校三年であった。勿論戦争に対して責任を問われる筋合いはない。今では殆どの日本人がそうである。しかし歴史に学び、再び繰り返してはならないとは考えている。そう考える時、偏った思考で子ども達を教育すべきではないと考える。かといって共通認識を得るのも中々難しいだろう。だったら両国の主張を列記したらいい。これもドイツを参考にしたらと思慮する。

ついでに原子力発電に対する考え方の違いについて述べてみる。名称は確かではないが、世界学術会議が三十年かけて研究した結果、使用済み燃料棒の処理が将来的にも不可能であると結論付けたのを受けて、ドイツではそれを存続するか廃止するかで議論がなされた。要は現在の経済的利益を優先するか、あるいは将来世代に対しての倫理観を重視するかの違いである。日本でも同様の議論がなされている。ドイツでは後者を選択した。問題はいつ迄に全廃するかに議論は移っていた。そんな折、くしくも福島の原発事故が発生した。ドイツは早速十年以内と結論を出した。両国は各々異なる理由があるという人があるかも知れない。然しそれを承知の上で言っている。日本の針路に不安を感じているので敢えて…。

新たな規範

全国的に言える事ではあるが、地方における慢性期医療及び福祉事業に関しては、経営環境が厳しくなっている。そんな中にあって、経営理念を貫く為には、職員の皆さんに、より自身を高める為の努力を期待したい。そこで新たに「職員規範」を定めた。規範は「手本」と置き換えてもいい。古い職員の方は、林玉麟先生や安倍文枝さんを思い出したらいい。

一.礼節を重んじること
一.規律を守ること
一.品格を保つこと

一貫グループ会長
永野 義孝

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5.ガンは遺伝しますか? 病院機能評価受審を終えて
6.BLS院内訓練 思い出あれこれ

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