407号 発進塔:後素

掲載日:2014年10月31日

「若者は未来を語り、老人は過去の事柄について語りたがる」随分前のことであるが、何かの序にそう書いたことがある。当時は20歳から40歳未満の者を若者と呼んでいた。40歳から60歳未満を中年とか実年、そして60歳になると老人としていた。

中国古典(呉子など)によると40歳になると翁といっていたことを考えると、人間の寿命も二千年余りの間にずいぶん伸びた勘定になる。近年の人口構成や経済状況を考えると単に喜んでいいのかどうか判らないが…。

ただここで、わたしが言わんとする事は年齢の事ではない。総ての人がそうだと断言する積りはないが、どうも最近の若者は元気がない、笑顔が足りない。自分の将来について考え、悩み、不安になり、俯きかげんになっているのであろうか。そうであるのならいい。やがて道が開けてくるであろう。悩むのは若者の特権でもあるのだから。

自分は何の為に生きているのかを問い続け、その為の方策を探し求めていれば、ただそれだけで人は自分に納得できる生涯を全うできるものである。

そうした努力をしている職員に対し、何かしら示唆することになればと考えて計画したのが「命のビザ」と題した杉原千畝さんに関する講演会である。ぜひ会場に足を運んでその何かを感じ取り、心の糧にして欲しい。面白い話では決してないだろう。しかし、こんな日本人がいたことに驚きと感激を覚えることだろう。

尚、最近の老人は無気力な若者に代わって元気があるし、先を読んでいる。

話は飛んでしまうが論語に「絵のことは素より後にす」とある。直訳すると絵画においては、まず下地をよくすることが大切で色彩を施すのはその後のことだ、ということになる。

何をするにもまず、自身の教養を高め、知識を広めることが大切であると強調しているのである。暇があれば、お喋りをしたり、スマホをいじるのではなく、本を読みなさい、そして他人の有益な話を聞きなさい、という事になる。

経営方針の追加

慈永会と稲穂会は共に公益性が高く求められる法人である。設立の趣旨から其々の経営理念は異なるが、奇しくも経営方針は同一文言である。双方共に病院機能評価の認定を受けている病院を主体にしている組織であるので、職員の多くは経営理念や経営方針については熟知してくれていると思う。

今回、4つある方針の1つ「共生社会の実現」を具現化するための方策として、在宅介護についての調査及び研究という文言を追加することにした。

共生社会とは約半世紀前にデンマークのある小さな障害児施設に子供を入所させている保護者から提起された疑問から生まれた。何故子供達は人里離れた所に隔離されたように収容されて生きなければいけないのか。「障がいがある子も普通の子も、若者もお年寄りも共に生きる社会こそノーマルな社会ではないのか」という思想が生まれ、広がりを見せるようになったが、まさにそれが実現された社会のことである。今迄漠然としていたが、そんな社会を実現する為に、私達は何かできないか。在宅でまず世話をしている約千人の家族に直接面談方式で聞き取りを始め集約したいと考える。

一貫グループ会長
永野 義孝

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