404号 発進塔:世界価値観調査

掲載日:2014年03月20日

世界97ヶ国・地域の研究組織が参加して五年毎に行うグローバル協働のプロジェクトがある。「世界価値観調査」というもので、各々の国の一般人の価値観や意識の動向を比較分析している学問である。日本からは東京大学と電通総研がそれに参加しているが、オランダのティルブルグ大学に拠点を置いている。無作為に抽出した18歳以上の男女1000~3000人あまりを各国が調査対象として、専門の調査員が直接その人を訪問して説明をした上で回答を依頼し、後日回収して集計をするという方法で行っている。訪問留置というらしい。

質問項目は250程あるが、その中に「若し戦争が起こったら、国の為に戦うか」というのがある。2005年の結果を見ると「戦う」と答えたのが日本では僅か15%で最低であった。図抜けての低さである。ちなみにワースト2位がドイツの30%であった。逆に最も高いのがベトナムの94%で大方の国々では60~70%が普通である。

「国家の品格」など多くの著作がある数学者の藤原正彦氏は「始末に困る人」という著書の中で次のように分析し、「これは先の戦争で多くの人命が失われたこととは無関係のようである。というのは、戦争で亡くなった人は日本では人口の4.5%であるのに対し、ドイツでは12%、ポーランドは16%と他が圧倒的に高い。最大の戦死者を出したソ連邦では2400万人と言われているし、ベトナムだって先の戦争で500万人が亡くなっている。日本人の感覚は不思議としかい言いようがない。これは、いつまでも戦争の罪悪感に打ちひしがれているように、また国民が自らの祖国を守るに足る国と思わないように、巧妙な仕掛けがくみ込まれて来たせいではなかろうか。」と述べておられる。

自虐的な戦後教育もその一翼を担ってきたであろうし、事なかれ主義で説明や主張を怠って来た官僚にも責任の一端があると私は考えている。気になりだして2010年の最新の調査結果を調べてみた。やはり15.2%と低水準のままであった。日本語訳は出ていないが英文の分析結果は公表されていた。英語の堪能な人は是非原文を読んでいただきたい。興味深い項目も多い。

ところで以前から私は一人子政策で大事に育てられた中国の若者は危険な戦場には出かけようとしないであろうし、親もまたそれを許さないだろうと考えていた。ところが90%が参戦すると答えていたのには驚いた。やはり江沢民政権以降の反日的教育が影響しているのではないだろうか。

私は右寄りでも左寄りでもない。ただ日本人の愛国心の希薄さを嘆いているだけである。為政者は自分の偏見を喋りまくるのではなく沈思黙考し、特に国際問題に関しては歴史に学び、相手方との文化や思想の違いを充分に理解した上で言動して欲しいと考える。

信 頼

紀元前の話ではあるが、孔子は高弟の子貢の問いに対して、国を治める基本は「軍備・食料・信頼」であると説いている。以前にも述べたことなので、くどくは言わないがその3つの中で「信頼」こそが最も大切であると言っている。安倍首相は他国の首脳と五回程会って信頼を築いたと言っているようだが、それを得るのには最低10年はかかるものである。国民の意識と大きく乖離したままで今やろうとしている政策を焦って進めるのではなく、じっくり腰を据えて取り組んで欲しい。

一貫グループ会長
永野 義孝

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