437号 発進塔:人材育成

掲載日:2019年11月10日

一年の計(はかりごと)は穀を樹うるに如(し)くはなし
十年の計は木を樹うるに如くは莫し
終身の計は人を樹うるに如くはなし

これは「管子」という中国古典の一節である。読んで字の如く、一年の計画を立てるのであればその年の内に収穫できる穀物を植えればいい。十年の計画を立てるのであれば実がなる木を植えなさい。そして若し生涯の計画を立てる積りなら、人材を育成することだと言っているのである。生きる為の食糧を得ることが儘ならぬ二千年以上昔の話である。

日本であれば、さしずめ幕末長岡藩の小林虎三郎による「米百俵」の精神にも共通するような話でもある。

ただ教育・養成・指導といっても人の資質というものは持って生まれた遺伝子によって既に大きく左右されている。加えて生後の生活環境や職場環境によって大方は決定付けられている。

それでも、指導や本人の努力次第で少しはいい方向に変えられる筈である。それにより「人在」が「人材」や「人財」にもなり得ると考える。下手をすれば「人罪」になったりもするので注意が必要だ。

これは私の兄の持論のようでもある。人口減少の中、若い優秀な人材は都会へと流出し続けている。残っている人達で事業を継承してゆかねばならぬ。さし当りは外国人雇用も考えつつ、天草に残ってくれている人達をどう戦力として育てていくかを考えないといけない。

創業して50年が経過し、村上和光さん、落合恵子さんそして藤原正彦さん御三方の記念講演会や中国桂林市少年団一行の招へい、そして昨年洞窟に取り残されながら無事に救出されたタイの少年一行を迎えて座談会を開催したり、国内外への職員旅行を実施したりと皆さんにも色々お世話になった。記念行事で忙しい1年間であった。ここで50年を振り返ってみると、私はあまり深く思慮もせず、思い付く侭・気の向く侭に決断・実行して来たこれ迄だったように思う。周りの者にもあまり相談せず、よしんば相談したとしてもその思惑とは逆の選択をしたりして歩んで来た。その理由は言わぬが花、ということにしておこう。

幸いだったのは、どういう訳か社会全体が私が選んだ方向に追従してくれたことだった。しかし、これ迄とは世相も大きく変わって来ている。経営の舵取りも難しくなっていくであろう。

メンテナンス表

私は療育園の移設工事に関する工程会議に毎回顔を出している。工程会議とは作業の手順とか進み具合を定期的に検討する会議のことである。

毎回その会議に決まって提出されるものに工程表というものがある。建築現場は色んな職種の人々が同時進行で作業を行うことになるので、各々が支障なくスムーズに業務遂行が出来るよう、異なった職種の方が行っている作業の現状を判り易く1枚の表にしたものである。元々は米軍が第二次世界大戦で作戦効率を高め、併せて自軍に対する誤爆を防ぐ目的で考案したらしいが、戦後いち早く日本の大手建設会社が建築工事用に活用したものと言われている。

私は今、その工事工程表を参考にして、新しい建物の「百年間メンテナンス表」の作成に夢中になっている。また1日に数回は現場に足を運んで進捗状況を楽しんだりしている。今回の建物は200年間は使用する積りだからである。

一貫グループ会長
永野 義孝

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